墨子 巻十 経説上
《経説上》
故、小故、有之不必然、無之必不然。大故、有之必然、無之必不然、若見之成見也。
體、體也、若有端。若二之一尺之端也。
知、材、知也者、所以知也而必知、若明。
慮、慮也者、以其知有求也、而不必得之、若睨。
知、知也者、以其知過物而能貌之、若見。
智、智也者、以其知論物而其知之也著、若明。
仁、愛己者、非為用己也。不若愛馬。
義、志以天下為芬、而能能利之、不必用。
禮、貴者公、賤者名、而俱有敬曼(人偏+曼)。焉等、異論也。
行、所為不差名、行也、所為差名、巧也。若為盜。
實、其志氣之見也、使人知己。不若金聲玉服。
忠、不利、弱子亥足将入止容。
孝、以親為芬、而能能利親。不必得。
信、不以其言之當也、使人視城得金。
佴、與人遇、人衆、𢝺。
𧨜、為是為是之台彼也、弗為也。
廉、己惟為之、知其也𦖷也。所令非身弗行。
任、為身之所悪、以成人之所急。
勇、以其敢於是也、命之、不以其不敢於彼也、害之。
力、重之謂、下與重、奮也。
生、楹之生。商不可必也。
臥、XX。
夢、XX。
平、惔然。
利、得是而喜、則是利也。其害也、非是也。
害、得是而悪、則是害也。其利也、非是也。
治、吾事治矣、人有治南北。譽之必其行也。其言之忻、使人督之。
誹、必其行也、其言之忻。
挙、告以之名、挙彼實故也。
言也者、諸口能之、出民者也。民若畫俿也。言也謂、言猶名致也。
且、自前曰且、自後曰已。方然亦且。
君、以若名者也。
功、不待時、若衣裘。
賞、上報下之功也。
罪、不在禁、惟害無罪、殆姑。
罰、上報下之罪也。
侗、二人而俱見是楹也、若事君。今久、古今且莫。
宇、東西家南北。
窮、或不容尺、有窮、莫不容尺、無窮也。
盡、俱止動。
始、時或有久、或無久、始當無久。
化、若蛙為鶉。損、偏也者兼之體也。其體或去存、謂其存者損。
環、俱柢也。庫、区穴若斯貌常。
動、偏祭従者、戶樞免瑟。
止、無久之不止、當牛非馬、若矢過楹。有久之不止、當馬非馬、若人過梁。
必、謂臺執者也。若弟兄一然者一不然者、必、不必也、是非必也。
同、楗與狂之同長也。
心中、自是往相若也。
厚、惟無所大。
圓、規寫攴也。
方、矩見攴也。
倍、二尺與尺但去一。
端、是無間也。
有間、謂夾之者也。
間、謂夾者也。尺前於区穴而後於端、不夾於端與区內、及及非齊之、及也。
纑、間虛也者、両木之間、謂其無木者也。
盈、無盈無厚。
於石無所往而不得、得二、堅。異處不相盈、相非、是相外也。
攖、尺與尺俱不盡、端與端俱盡。尺與或盡或不盡。堅白之攖相盡、體攖不相盡。端。
仳、両有端而后可。
次、無厚而后可。
法、意、規、員三也、俱可以為法。
佴、然也者、民若法也。
彼、凡牛、樞非牛、両也。無以非也。
辯、或謂之牛、或謂之非牛、是争彼也。是不俱當。不俱當、必或不當、不若當犬。
為、欲斫其指、智不知其害、是智之罪也。若智之慎文也無遺、於其害也、而猶欲斫之、則離之是猶食脯也。騷之利害、未知也、欲而騷、是不以所疑止所欲也。𪪞外之利害、未可知也、趨之而得力、則弗趨也、是以所疑止所欲也。観、為、窮知而懸於欲之理、斫脯而非智也、斫指而非愚也、所為與不所與為相疑也、非謀也。
已、為衣、成也、治病、亡也。
使、令、謂、謂也、不必成。濕、故也、必待所為之成也。
名、物、達也。有實必待之名也。命之馬、類也。若實也者、必以是名也。命之藏、私也。是名也止於是實也。聲出口、俱有名、若姓字灑。
謂、狗、犬、命也。狗犬、挙也。叱狗、加也。
知、傳受之、聞也、方不障、説也、身観焉、親也。所以謂、名也、所謂、實也。名實耦、合也。志行、為也。
聞、或告之、傳也、身観焉、親也。
見、時者、體也、二者、盡也。
合、兵立反中、志工、正也、藏之為、宜也、非彼必不有、必也。聖者用而勿必、必也者可勿疑。仗者、両而勿偏。
為、早臺、存也。病、亡也。買鬻、易也。霄盡、蕩也。順長、治也。蛙買、化也。
同、二名一實、重同也。不外於兼、體同也。俱處於室、合同也。有以同、類同也。
異、二必異、二也。不連屬、不體也。不同所、不合也。不有同、不類也。
同異交得、於福家良恕、有無也。比度、多少也。免軔還園、去就也。鳥折用桐、堅柔也。剣尤甲、死生也。處室子毋、長少也。両絕勝、白黒也。中央旁也。論、行、學、實、是非也。雞宿、成未也。兄弟、俱適也。身處志往、存亡也。霍、為姓故也。賈宜、貴賤也。
諾、超、誠、負、正也。相従、相去、先知、是、可、五色。長短、前後、軽重援正五諾、皆人於知有説、過五諾、若員、無直無説、用五諾、若自然矣。
執服難。成言務成之、九則求執之。
法、法取同、観巧傳。
法、取此擇彼、問故観宜。以人之有黒者有不黒者也、止黒人、與以有愛於人有不愛於人、心愛人、是孰宜。
止、彼挙然者、以為此其然也、則挙不然者而問之。
若聖人有非而不非。
《経説上》
故、小故は之有るも必ずしも然らず、之無ければ必ず然らず。大故は之有れば必ず然り、之無くば必ず然らず、之を見るは見を成す若くなり。
體、體なり、端を有する若く、二は之の一尺の端の若くなり。
知は材、知なるものは以って知る所なり、而して必ず知ることを明るが若し。
慮、慮なるものは其の知を以って求むは有るなり、而して必ず之を得ざること睨の若し。(睨、日斜如人睨目)
知、知なるものは其の知を以って物を過ぎ、而して能く之を貌ることを見るが若し。(貌、頌儀也。)
智、智なるものは、其の知を以って物を論じ、而して其の之を知るの著しことを明るが若し。
仁、己を愛する者は己を用いるが為に非ざるなり。馬を愛する若くならず。
義、志は天下を以って芬と為し、而して能く之を能利するも、必ずしも用いられず。(芬、和也、又乱也。)
禮、貴きものは公、賤しきものは名、而して俱に敬曼(人偏+曼)有り。焉に等あるは、異論なり。(名、又自呼名也。等、又等級也。)
行、為す所の名を差ばずは行なり、為す所の名を差ぶは巧なり。盜を為すが若し。(名、又名譽也。差、擇也。)
實、其の志氣、之を見るや、人に己を知らしむ。金聲玉服の若くにあらず。
忠、利にあらず、子亥の足の将に容に入るを止むに弱ねむ。(弱、委也。)
孝、親を以って芬と為し、而して能く親を能利するも、必ずしも得られず。(芬、和也、又乱也。)
信、其の言の當るを以ってせず、人に城を視せて金を得らしむ。耳(人偏+耳)、人と遇し、人は衆に𢝺ふ。
𧨜、是を為すは之の是を為して彼を台ざるは、為さざるなり。(台、説也。𧨜の字は「説文解字」や「康煕字典」に載らない古字)
廉、己の之を為すと惟ども、其を知るなり。𦖷なり。所令、非は身に行はず。
任、身の之を悪む所を為し、以って人の之を急する所を成す。
勇、以って其の是において敢てするなり、之を命じ、以って其の彼において敢えてせずをなすなり、之を害ふなり。(害、傷也。)
力、之を重と謂い、下と重は奮くなり。(下、底也、落也。奮、震動也、又揚也。)
生、楹、之は生なり。商は必ずしも可あらずなり。(楹、柱也、柱之言主也。商、度也、又常也。)
臥、(欠字)
夢、(欠字)
平、惔然なり。(惔、燔也、又燎也。然、燒也。)
利、是を得て而して喜び、則ち是は利なり。其は害なるや、是は非ずなり。
害、是を得て而して悪む、則ち是は害なり。其は利なるや、是は非ずなり。
治、吾が事は治まり、人の南北を治むは有り。
譽、之は其の行を必するなり。其の言は之を忻び、人をして之を督せ使む。(督、察也。)
誹、其の行を必するなり、其の言は之を忻ぶ。
挙、之の名を以って告ぐ、彼の實を挙ぐる故なり。
言、諸の口の之を能くし、民を出だすものなり。民は俿を畫くが若くなり。言なるや、言は猶ほ名を致すを謂ふなり。(民、古謂民曰萌。畫、界也、又截止也。俿,輪也。)
且、前よりするを且と曰ひ、後よりするを已と曰ふ。方は然らば亦且なり。(方、法也、又道也)
君、以って名の若しものなり。
功、時を待たず、衣裘の若し。
賞、上の下の功に報ふなり。
罪、禁の在らざれば、害すと惟も罪無し、姑を殆むくなり。(姑、且也、祖者且也。)
罰、上の下の罪に報ふなり。
侗、二人、而して俱に是の楹を見るなり、君に事へるが若し。
今久、古今に且は莫し。(祖者且也。)
宇、東西は南北に家す。
窮、或、尺を容れざるは、窮まること有り、尺を容れざるの莫きは、窮まること無きなり。(或、域也。尺、規矩事也)
盡、俱に動を止める。
始、時に或ひは久は有り、或ひは久は無し、始に當り久は無し。
化、蛙が鶉と為すが若し。損、偏なるものは兼の體なり。其の體は或に去存し、其の存は損と謂う。
環、柢を俱にするなり。(柢、根也。)
庫、区穴は斯くの若く貌の常なり。(貌、頌儀也。)
動、偏祭に従うは、戸樞の瑟を免がれる。(瑟、衆多貌。)
止、無久の止まらざるは、當に牛は馬に非ず、矢の楹を過るが若し。有久の止まらざるは、當に馬は馬に非ず、人の梁を過るが若し。(楹、柱也。過、越也、経也。梁、水橋也。)
必、臺執する者を謂うなり。弟兄の一に然るは一に然らざるの若き、必の、必ならずなり、是は必に非ずなり。
同、楗と狂の之は同長なり。
心中、是より往くは相若くなり。
厚、惟無き所大なり。
圓、規寫して攴する。(規、正圜之器也。攴、擊也、又觸也)
方、矩見して攴する。(矩、度方有常也。攴、擊也、又觸也)
倍、二尺と尺は但一を去る。
端、是は間の無きなり。
有間、之を夾むものを謂ふなり。
間、夾むものを謂ふなり。尺を区穴の前にし而に端の後にして、端と区内において夾まずは、及びて及ぶは之の齊きに非ず、及ぶなり。(尺、蒦也、規矩事也)
纑、間の虚なるは、両木の間、其に木無きものを謂うなり。
盈、盈無ければ厚は無し。(盈、満器也。又容也。厚、重也、又深也)
石に往く所無ければ而して得はあらず、堅を二を得る。處は異なりて相盈たず、相非ずは、是は相外なり。(得、行有所得也。分而爲二、以象両。堅、剛也、固也。)
攖、尺と尺とは俱に盡きず、端と端とは俱に盡く。尺と或は盡き、或ひは盡かず。堅白の攖は相盡き、體の攖は相盡きず。(攖、通作嬰、繞也、又纏也。堅白、堅白異同論)
端。仳なり、両は端に有りて而して后可なり。
次、厚無く而して后可なり。
法、意、規、員の三なり、俱に法と為すを以って可なり。(員、均也、益也。)
耳(人偏+耳)、然なるは、民の法に若うなり。
彼、牛は凡なるも、樞は牛に非う、両なり。以って非するは無きなり。(凡、常也。)
辯、或ひは、之を牛と謂ひ、或ひは、之を牛に非ずと謂う、是の彼を争うなり。是の俱に當らず。俱に當らずは、必ず或ひもも當らず、犬に當らずの若くにあらず。
為、其の指を斫らむと欲して、智は其の害を知らず、是は智の罪なり。若し智の文を慎むや其の害に於いて遺は無しなり、而して猶これを斫るを欲するは、則ちこれを離るなり、是は猶脯を食ふなり。之の騒の利害は、未だ知らずなり、欲して而して騒がば、是の疑う所を以って欲する所を止めざるなり。之の廧外の利害は、未だ知るべからずなり、之の趨かば而して力を得、則ち趨かずなり、是の疑う所を以って欲する所を止むなり。観るに、為すに、知に窮して而して之の理を欲くするに懸り、脯を斫るも而に智に非ずなり、指を斫るも而に愚に非ずなり、為す所と為さざる所と為すを相疑うなり、謀るに非ずなり。(文、猶美也、善也。離、明也。脯、肉乾也。)
已、衣を為すは、成なり、病を治むるは、亡なり。(亡、逃也。)
使、令を謂を謂うなり、必ず成らず。
濕、故なり、必ず為す所の之の成るを待つなり。
名、物は達なり。實有らば必ず之の名を待つなり。之の馬の命は、類なり。實なるものの若きは、必ず是の名を以ってなり。之の藏たる命は、私なり。是の名なり、是の實に於いて止むなり。聲の口に出でて、俱に名有り、姓字の灑つが若し。謂はく、狗と犬の命なり。狗犬は挙なり。叱狗は加なり。(藏、匿也。灑、又分也。)
知、傳えて之を受け、聞くなり、方の障てざるは、説なり、身焉を観るは、親なり。謂うを以ってす所は、名なり、謂う所、實なり。名と實を耦するは、合なり。志を行うは、為なり。(方、法也。障、隔也、界也。)
聞、或は、之を告ぐは、傳なり、身焉を観るは、親なり。
見、時なるものは、體なり、二つものは、盡なり。(分而爲二、以象両。)
合、兵立たちて中に反し、志に工すは、正なり、藏を為すは、宜なり、彼に非ずは必ず有らず、必なり。聖者の用は而して必する勿し、必するものは疑うこと勿かる可し。仗は、両して而して偏する勿し。(工、巧也、事任也。藏、蓄也、又匿也。仗、道也、又治也。両、再也。)
為、早臺は、存なり。病は、亡なり。買鬻は、易なり。霄盡は、蕩なり。順長は、治なり。蛙買は、化なり。
同、二名の一實なるは、重同なり。兼に於いて外れざるは、體同なり。俱に室に於いて處するは、合同なり。同を以って有るは、類同なり。
異、二の必ず異なるは、二なり。連屬せざるは、不體なり。所を同じくせずは、不合なり。同の有らざるは、不類なり。
同異を交に得、福家に於いて良と恕は、有無なり。度を比ぶるは、多少なり。免軔還園は、去就なり。鳥を折めるに桐を用うるは、堅柔なり。剣、尤、甲は、死生なり。處室に子の毋しは、長少なり。絶ると勝つ、白と黒は両なり。中央と旁なり。論、行、学、實、是は非ふ。雞を宿ること、未だ成らずなり。兄弟、俱に適うなり。身處志往、存亡なり。霍、姓を為すに故あるなり。賈の宜しきは、貴賤なり。(折、又止也。桐、栄也、又栄華。絶、非也。勝、任也。非、違也、鶏、司晨鳥。宿、止也。霍、又鸖也、猶霍氏也。貴、又高也。賤、賈少也。)
諾、超、誠、負は、正なり。相従ひ、相去る、先ず知り、是、可にして、五色なり。長短、前後、軽重は五諾を援正し、皆人の説の有るを知るに於いて、五諾を過ぎ、員の若く、直は無く説は無く、五諾を用い、自ら然る若くなり。難に執服す。言を成し之を務成す。九、則ち之を求執す。(員、均也、益也。直、正也。)
法、法は同を取り、傳を巧するを観る。(傳、授也。)
法、此を取り彼を擇ぶ、故に宜しを観るを問う。人が黒きに有るを以って黒きにならずなるなり、黒き人に止むるは、與に人に於いて愛する有るを以って、人に於いて愛せずあるは、心は人を愛す、是は孰か宜なむ。
止、彼の然すを挙ぐるは、此を為すを以って其を然とするなり、則ち然さざるを挙ぐるは而して之を問う。
聖人に非有るも而に非らずが若し。
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